【08.06.16】【春闘速報34 08/6/16 地域医療連携のための有識者会議中間とりまとめ】

地域医療連携のための有識者会議が中間とりまとめ発表

【春闘速報34 08/6/16 地域医療連携のための有識者会議中間とりまとめ】

愛知県公立病院等、地域医療連携のための有識者会議が
「中間とりまとめ」を発表(5/27)

以下は、別紙を参照ください
(1)中間まとめ概要 (2)愛知県公立病院改革プラン策定スケジュール

◆ 公立病院の経営改革は、まず「地域医療確保」が重要な視点
◆ 総務省の公立病院改革プランの3点では
再編ネットワークの視点抜きは公立病院の存在意義が問われると指摘

 政府・総務省は、昨年「地方公共団体財政の健全化に関する法律」を策定し、病院などの事業も含めて黒字化図る、として自治体立病院の経営改革を行うための「公立病院改革ガイドライン(07年12月)」をに基づく、「公立病院改革プラン」を各都道府県の責任でまとめるよう指示しています。
 愛知県は、「有識者会議」を設置し検討に入っていますが、「中間とりまとめ」が、5/27に発表されました。中間とりまとめ、では、政府のガイドラインが経営効率化・経営形態の見直しを主に迫っている内容であることに対し、「公立病院の経営改革は、地域医療確保が重要な視点」であり、総務省の公立病院改革プランの3点のうち、「地域医療のネットワークづくり、をどう作り上げるのかの視点抜きの検討では、公立病院の存在意義が厳しく問われる(中間まとめ「はじめに」)と指摘しています。
 
同時に、地域医療を守る最大の政策医療の課題が当面は、「地域の救急医療体制の確保」の観点から進めること、1次から3次救急を地域でどうネットワーク化するかという中で、愛知県内の公立病院がどのような役割を果たすべきなのかを明らかにする、としました。            
 更に、県の果たす役割は「救急医療体制が危機的な状況と判断される場合には御医療機関の利害関係にとらわれずに、積極的に調整、提言する」とました。今後の進め方では、この間、有識者会議の中間まとめ、を経て、「2次医療圏ごとにワーキングチームが設置され検討作業が進め、特に問題が顕在化している海部(あま・地域 愛知県西部)と東三河地域を重点として進め、県は集約された検討結果をまとめ10月には県のプラン(案)を発表する予定です。

【関連記事】 愛知県調査結果
「医師不足で何らかの診療制限は入院、時間外急患、分娩…で34公立病院中、診療制限20カ所

◇三河地域で顕著
 県内の34の公立病院のうち、医師不足のため診療制限を実施している病院が20カ所に上ることが、県医療福祉計画課の調査で分かった。西三河南部(岡崎市や碧南市など7市4町)地域では5医院のうち4医院で時間外の救急患者の受け入れ制限や、一部の診療科で入院患者の受け入れ休止をするなど、深刻な状況が浮き彫りにされている。
 公立病院の地域連携の在り方を協議していた有識者会議の中間報告「公立病院等の地域医療連携に向けて」の中で明らかにした。報告書は「救急医療体制の確保が最大の課題」と指摘しており、公立と民間の医療機関の役割の明確化や、外来と入院の機能を分ける医療体制の構築などを提案している。
 診療制限のうち、最も多かったのが一部の診療科での入院の休止で、9医院が既に受け入れを中止している。また、産婦人科医の不足で問題となった分娩(ぶんべん)の休止も5医院に上った。地域別では特に三河地域で目立ち、11医院のうち8医院で制限していた。

◇時間外受診者、要入院は11%-軽症者増加
 一方、報告書は救急医療体制と患者の意識の乖離(かいり)にも言及している。患者は時間外でも専門医を求める傾向が強く、軽症患者の時間外受診が増加している。昨年度の県の調査では、時間外の受診患者のうち、入院が必要だったのは11%に過ぎなかったという。

 報告書は「救急医療に携わる医師の負担が増加し、本来の救急医療機関としての機能が阻害される」と指摘。「医師が救急医療の現場を去ることが懸念される」と警告している。
                       
毎日新聞 2008年6月12日 地方版

公開:2008年6月16日   カテゴリー: