【12.12.27】12秋闘速報22  愛知看護協会と懇談

2012秋 いのちまもるキャラバン行動はフィナーレ!

 
写真:懇談の様子

愛知看護協会と和やかに懇談
「看護職員、県民を守りたい」
その思い共有し決意新たに

 愛知県医労連は、年の瀬も押し迫った12月25日、愛知県看護協会さんと今年度の懇談を行いました。愛知医労連からは永田副委員長、西尾書記長、田島書記次長、林書記次長が参加し、愛知県看護協会からは中井会長、山羽専務理事、兵藤理事、川口理事、山下理事の6名がご対応いただきました。

「健康であること、幸福であること、そのための看護」
中井加代子会長の熱意のこもったごあいさつ

 中井会長は冒頭のあいさつで、愛知県看護協会が平成24年4月1日より公益社団法人を取得したことに触れ、コンセプトは、「健康であること、幸福であること、そのための看護」。看護職員一人ひとりの健康と幸福が大切にされることと、患者さん県民の健康と幸福が大切にされるために、人のそばへ、街の中へ、あゆみを進めていく『看護の使命』があると述べられ、看護職員を守るために人々のために一生懸命にやっていきたいと、熱意のこもったごあいさつをされました。

企画委員会 好事例のまとめを発表
労働に配慮した勤務表を組む共通認識を

 厚生労働省が昨年発出した看護の質の向上についての5局長通知については、愛知県の企画委員会に参加し、研修会の開催、職場での好事例についてまとめている。好事例について厚生労働省は10例で終わりとしているが、愛知県では調査も行い、さらに好事例を集めまとめていきたい。「労働時間管理者」への位置づけと役割が重要だとする私たちの意見に対して、企画委員会の中で労働時間管理者は固い表現でもあり、何をやる人なのか見えにくく、取り組みは延期となっている。しかし、労働に配慮した勤務表を組むことが大切であるという共通認識が持てるといいと述べられました。

日本看護協会ガイドラインは1月下旬に発表
「勤務間隔時間は最低11時間以上、夜勤の拘束時間の長さは13時間以内」

 夜勤ガイドラインについては、正式には1月下旬に発表される予定とのこと。中井会長は私たちが10月に取り組んだ加盟施設の訪問で夜勤ガイドラインが示されて、16時間長時間夜勤が病院側としても問題だとする世論が起きていること、定時より30分前の勤務者が3分の1にも及んでいることを報告すると、中井会長は、私たちの報告を補強する立場で、夜勤ガイドラインでは、『拘束時間は13時間以内』としています。ポイントになるのは『勤務間隔は最低11時間以上の間隔をあける』と1番目に示された意義を強調されました。これらの数字は残業を含めており、ガイドラインのように実践されれば看護職員の労働改善が大きく進むと述べられ、夜勤ガイドラインの策定で、適正な夜間勤務のあり方や長時間勤務の是正で働きやすい勤務体制への見直しや夜勤時間の再検討の動きを紹介されました。


愛知県看護協会の「愛看かいぜんサポート」
転職はぜひ、ナースセンターの活用を

 愛知看護協会の事業として、愛看かいぜんサポートに取り組み看護職員の個別相談と、医療機関に対しては看護職員の働く環境の改善相談や多様な勤務形態導入に関するアドバイザー派遣に取り組んでいます。ナースセンター事業は3千人が登録し千人の就職につなげているとのことでした。また、中日新聞(読者260万に)に見開き全面広告を掲載し、6月24日には、「笑顔でいききと働ける環境をめざして。」とうたった、愛知県看護協会が取り組むWLBの紹介や看護進路相談会の掲載が、11月4日には認定看護師研修やナースセンターを紹介しPRに取り組んだとされました。
 近年、悪徳の紹介業による転職求人サイトがあり、契約するとお祝い金がもらえる業者もあり、結局、元を正せば求人をした病院から出ており、その費用が多額になるほど、看護職の待遇悪化につながるといえなくもないと、紹介業の問題を示され、現場の情報を寄せてほしいこと、就職・転職については、一人で悩むのではなく、看護職の組織であるナースセンターに相談して活用してほしいと話されました。
 情報満載の愛知看護協会(会員は3万2千人)への加入も呼び掛けられました。


平成24年度からワークライフバランス ワークショップ開始
初年度は県内4病院が参加

 愛知県はワークライフバランス(WLB)[*注]について、平成24年度から参加し、今年度参加施設は、半田市立半田病院、刈谷豊田総合病院、南生協病院、春日井市民病院の4施設。3年間の取り組みで、初年度は個々の職員がどういう状況であるか調査に取り組み、優れた点や弱点をつかみ、病院内で周知・論議をすすめながら、個々の病院の問題について話し合い、短期計画・長期計画を立て、他の病院とのワークショップやグループワークのディスカッションを行い、推進者・支援者が一体となって取り組み、問題点の解決をはかりながらWLBを推進し今年度中にまとめを行うとのこと。来年度も新たな病院を募り、WLBの取組みを広げていきたいとしました。

公正な医療・看護の提供 一定の水準は「看護師」
すべての准看護師を看護師へ
 医労連はすべての准看護師を看護師にと看護師一本化をめざしていることについてたずねたところ、「公益法人になり県民に最高のよりよい医療・看護を促進し提供していきたいと思っている。看護提供の一定水準とは、看護師のレベルであり、県民は公正な医療・看護を受けられるものでありたい。」と考えを述べられ、看護師一本化が望ましいとしました。

看護職員を守り、よりよい労働環境の改善
愛知県医労連のみなさんと、方向は同じ
 最後に、中井会長から「愛知県医労連のみなさんとは、団体の役割はそれぞれ違うと思うが、看護職員を守りよりよい労働環境で働いていくために、改善に向けていく方向は同じであり、みなさんの意見をもっと聞かせていただきたい。そして看護職本人だけでなく県民の医療・看護を考え、『健康であること、幸福であること、そのための看護。』このコンセプトを推進していきたい。」と締めくくられました。

懇談を終えて ~職場も、署名も、がんばろう~
 
 年の瀬の忙しい中、愛知看護協会の中井会長はじめ役員のみなさまと懇談が実現したことに感謝申し上げます。これまでで通算3回目の懇談でしたが、中井会長の看護職員、県民の健康、幸福を守りたいという熱意あるお話しは、私たち医労連がはたらくもののいのちと、患者・国民のいのちまもりたいと願い運動しているスタンスと共通性を持ち、より共感が湧くものでした。
 中井加代子会長は今年度厚生労働大臣から優良看護職員として賞を「授与」され、光栄に思います。来年度は第18回日本看護サミット愛知が開催されます。看護職員に光が当たり、勤務環境の改善が加速することを願わずにはおれません。
 日本看護協会は夜勤ガイドライン、WLBで働く環境改善に取り組んでいます。私たち医労連も5局連盟通知を背景に、夜勤ガイドラインを職場でいかし、労働環境の改善を迫り、署名の達成で夜勤保護の規制を作るために頑張っていきましょう。

注)WLB推進・ワークショップとは?
 平成22年度より日本看護協会と各都道府県看護協会が協働し、厚生労働省から補助金が受けられます。WLBの実現に向けて取り組み、医療施設を支援するワークショップで、平成24年度は、新たに12県が加わり、32都府県225施設がWLB実現に向けた取り組みを行っています。愛知県看護協会では平成24年度の3つの事業方針のうちの「看護職の働きやすい労働環境づくり」に、中心事業の一つとしてこのWLBのワークショップの実施を掲げ、今年度より4つの病院が参加して取り組まれています。

12秋闘速報22

公開:2012年12月27日   カテゴリー: