【16.07.25】 2016秋闘速報?  第12回労働安全衛生学習交流会を開催しました!

第12回労働安全衛生交流集会11組織25名 ハラスメントのない職場をつくろう

 
7月23日、第12回労働安全衛生学習交流集会を開催、11組織から過去最高25名が参加しました。テーマは「医療や介護で働く人のためのハラスメント講座」

職場でハラスメントを許さない環境整備をすすめよう
今回の講師は産業カウンセラーの大須賀しづかさん(看護師)ハラスメントを繰り返す「ハラッサー」はイルゴイエンヌ(フランスの精神科医)によれば「自己愛的な変質者」で、仲良く折り合うことは出来ない。その点で通常考える相手との良い関係づくりとは異質のアプローチになる。ハラッサーを変えようとしてもダメ、組織を破壊するハラッサーが職場を去る職場づくりが必要と力説しました。
ハラスメントゼロに必要なことは、?相談体制や窓口強化(職場内、組合役員、公的機関)、?自分を変える(カウンセリング、心理教育の実施)、?職場体制の強化(労安活動、就業規則改定、労組のハラスメント防止協定)大須賀さんの職場で取り組むハラスメントゼロに向けた規則改正、相談体制の紹介もありました。
また、ハラスメント場面を設定したロールプレイングで、ハラスメントに巻き込まれない感覚のトレーニングを実施しました。

参加者からの感想では、「大須賀さんの講演は明快でわかりやすい。ハラッサーを変えるのは難しく職場全体でハラスメントを許さない環境づくりが必要である話に納得した」、「現場に近い立場とからの話で、私たちが職場で労安活動を取り組む視点をしっかり与えてくれた。今日の話を現場で活かしたい」など、大変好評でした。

健康で安全で働くのは私たちの権利 労組の労安活動を強化しよう
 講演の後は林書記長から問題提起。2013年6月には19年ぶりに「職場における腰痛予防対策指針」が改訂。2014年6月に「労働安全衛生法の一部を改正する法律」が成立し「受動喫煙防止対策」や「心理的な負担の程度を把握するための検査」(ストレスチェック制度)が盛り込まれ6月25日に公布された。2014年11月には「過労死等防止対策推進法」が施行され労働安全衛生をめぐる状況は一定の改善が行われてきた経過を報告。健康で安全に働くのは私たちの権利。ハラスメントが社会問題になり労働安全衛生活動の強化が求められている。日本医労連が昨年7月に改定した「安全衛生活動の手引き」を活用し、以下の労働組合が主体的に労働安全衛生活動に取り組もうと提起しました。

労働組合の労安活動は、こう実践しよう!

 

(1)過半数の労働組合をめざそう

労安委員会は労使半々で構成。労働者代表は労働組合が過半数の場合は労働組合代表となります。その意味で過半数労働組合をつくることが重要です。

(2)労安活動に臨む労働組合の基本姿勢
労働組合が労安活動に臨む姿勢は、?労働者の命と健康を守り尊厳と権利を守る、?事業者責任を明確にする、?学習・教育活動を徹底、?リスクアセスメントを明確に、?労働災害等の再発防止策を導き出す。が重要です。4役を中心に担当者を配置し、各事業所や職場単位に担い手を増やし、労働組合での労安委員会を設置しましょう。

(3)労安委員会をチェックしよう
労働組合が労安委員会に参加するのと同時に、労安委員会が最低月1回開催されているか、どんな議題が上がったか、会議内容も労働組合で確認しましょう。また、積極的に労働組合(労働者)側から審議内容を提案しましょう。

(4)職場会議やニュースで取り上げよう
職場会議で労働組合が率先して職場の問題点を取り上げ、意見を集めましょう。ニュースを発行し労働組合としても審議内容を周知します。

(5)学習会を開催しよう
労安活動の「主役」は職場の労働者です。ヒヤリハットの事例を共有し対策を考え、労働者のいのちと健康を脅かす要因を取り除く取り組みが大切です。こうした“風土”をつくるために、労働組合が積極的に労働安全衛生について学習し、労働者自らが職場改善に取り組むよう学習・啓発を強化しましょう。

(6)相談活動で労働組合活動を活性化
労安委員会の巡視・相談活動とは別に、労働組合独自に職場巡回やメンタル疾患を未然に防ぐために労働者の立場に立った労安活動をおこない“労働組合活動の見える化や活性化”につなげましょう。

(7)労働災害の対応
労働災害が発生した時、労働組合として原因を明らかにし、再発防止策を明確にすることが大切。事業者は「本人の不注意論」「自己責任論」「私病論」を持ち出し、自らの責任を覆い隠す場合があります。労働組合は「個人責任追及」の姿勢ではなく「システムの問題」として原因究明・再発防止を考えていくことが重要です。

公開:2016年7月25日   カテゴリー: