日本平和大会 基地のない平和な社会を

開会あいさつ:全労連・小畑雅子議長

11月21日、「なくそう!日米軍事同盟・米軍基地2020年日本平和大会」がオンラインで開催されました。全国で 3千人が、zoomで視聴しました。愛知県内でも16ヶ所で視聴会が行われ、150人が視聴しました。

日本平和委員会・千坂事務局長の主催者報告では、

  1. コロナ危機のなかで問われる世界の進路
  2. 日本の菅政権も問われている
  3. 私たちはどのような道を歩むべきなのか?

の3点について、核兵器禁止条約の批准国が50ヶ国を超え核兵器と軍事対決の悪循環からの脱却の方向へ向かおうとしている世界の流れや、「敵基地攻撃」能力の保有を具体化しようとしている日本の現状を報告し、「新しい政治への転換を切り開くために、共に力を合わせよう」と呼びかけがありました。

【フォトジャーナリスト】安田菜津紀さん:難民にとっては移動しなくては危機から逃れられない。日本国内で暮らす様々なルーツを持つ人も困難に直面している。人権の面から見ても感染予防の目から見ても、そのような方を支援の輪から外すことは適切ではない。日本国籍を有している人以外も人権が踏みにじられるのは豊かな社会といえるのだろうか。コロナ禍で芽生えた共感の種もある。困難な方たちの状況に想像力を向けよう。

【上智大学】中野晃一教授:ポスト真実、言葉をねじ曲げる、真実をねじ曲げる社会はアメリカだけでなく日本にも広がっている。安倍首相以上に菅首相は他人事で責任を取らない。国民に諦めさせる。無力感を乗り越えて連帯を広げる必要がある。この道しかないと言ってきた政治に対し、そんなわけないという選択肢を作りたいという思いで市民連合に取り組んでいる。いのちや生活を守りあえるような政治の選択肢を作りたい。

【東京慈恵会医科大学】小沢隆一教授:学術会議で任命拒否された。国会答弁でその矛盾が明らかになっている。首相は自己の任命拒否の正当化を主張しているが、法律に反するもので、国民の権利を侵害するもの。思想の自由・学問の自由を脅かす。学術会議へのいっそうの支援を。

【沖縄県名護市】上野郁子さん:辺野古の工事はずっと続いている。軟弱地盤などで感染の見込みのないこの工事。米軍と自衛隊の暴挙は後を絶たない。高江ではオスプレイの本格運用かと思われる訓練が始まっている。ゲート前でおばぁが「沖縄をこのままにして死ねない」と。沖縄を二度と戦場にしない、この願いの実現を目指して皆さんと一緒に歩み続けます。

 【馬毛島への米軍施設に反対する市民・団体連絡会】迫川さん

FCLPは1日200〜300回タッチアンドゴーを頻回に繰り返すため、事故の危険が高い。元々岩国で行っていたが、米軍がもっと近いところでと要望し、馬毛島が標的とされた。人の住むところで深夜3時まで訓練をするという米軍の主張を優先する政府に怒り。都合の悪いことは隠す防衛省の体質が表れている。米軍はどこを飛ぶかわからない。それを日本は止められないことがわかった。漁師の反対を押し切り、巨大な軍港も作られようとしている。30万の反対署名を防衛省に提出した。白紙撤回させるまで諦めずに闘い続ける。

東京平和委員会(動画):東京にある横田基地。オスプレイは銃口を下に向けながら飛ぶ。東京の住宅密集地で。パラシュート降下訓練は、事故により沖縄ではできなくなり、今では東京で行っている。

防衛大学校人権侵害裁判 原告の母 乃川さん:福岡地裁は、暴力・虐待を行なった学生の行為を違法と認めたが、国への訴えは棄却。防衛大内で自殺未遂が多発している。同じ経験を後輩にさせたくないと、闘うことを決心した。法廷では防衛大の中での暴力・性的虐待が次々と明らかになり、吐き気がした。国の意識が変わらなければ自衛隊・防衛大の体質が変わるはずない。

神奈川でも同様に在学中のいじめで裁判が行われている。被害を受けた学生は今も言葉を発することができない。

特別集会②「日米地位協定問題を考えるー占領状態からの脱却をめざして」

【沖縄国際大学】前泊博盛教授:世界一危険な普天間基地と言われるが、飛び立ったヘリは基地の外で事故を起こしている。どこから飛び立つかでなく、飛び立たない議論をしなければならない。事故数と、死者数が多いことからもヘリの危険性がわかる。

・地位協定:日本は国内法も適用されず、基地への立ち入り権もない。

外国では、国内法が適用され、訓練にもその国の承認が必要なのはあたりまえ。アメリカ軍が事故を起こしても、アメリカ軍が調査をするのでは、犯罪を起こした犯人が捜査をするようなもの。不平等な協定は改定を!!

・校庭に米軍機の窓枠が落下。米軍に飛行ルート変更を求めるも無視され、校庭にシェルターを作った。退避回数は900回。米軍言いなりで上空を飛ばせないことはできず、落ちてきてもいいようにシェルターを作ることしかできない。地位協定改定というコップの中の嵐に巻き込まれないよう。改定ではなく、地位協定なんていらない。国内法の適用が前提。

公開:2020年11月27日   カテゴリー: