5月28日、第38回愛知医療研究集会をオンライン併用で開催。講演は弁護士の白神優理子さん。講演後は場会場で2つに分かれて分散会を行い、講演の感想やコロナ禍での職場実態を交流しました。
白神優理子さんは、「日本国憲法は希望―学ぶこと、生きること、平和な未来へー」をテーマに、分かりやすいイラストや写真を使いながら講演されましした。参加者の感想でも「もう一度講演を聞きたい」「参議院選挙で憲法を語るときに参考になった」と好評でした。
今こそ憲法!憲法の一番大切な部分とは
まず初めに憲法の重要な条文として憲法13条の「個人の尊厳」について触れました。憲法13条は国の形が決まる「目的」条文であり、憲法9条、25条はあくまでも「手段」の条文であると説明がありました。また立憲主義は先進国の憲法に多くあるものの、他国は緊急事態条項があり憲法をストップさせることができます。日本のように戦争の痛恨の反省から、「一切の例外なく」徹底的に国を縛るものになっており、大きな特徴であることが語られました。
攻められたらどうする?でなく攻められないようになにをするか
攻められたら取り返しがつかないため、攻められないようにするためにどうするがが重要と説明しました。軍事対軍事は時代遅れで、武力衝突の引き金にならないようにし、攻め込む口実を作らせないこと必要があります。敵基地攻撃能力の検討をし始めている現在の日本は「攻め込む危険」をはらんでいることが指摘されました。
憲法が変えられたらどうなる?
自民党の改憲案は合区や教育の部分はそもそも法律改正で対応可能であり、自衛隊の明記は役割や形が180度変わることであると説明がありました。集団的自衛権は端的に言うと「他人のケンカに顔を突っ込む」ことであり、日本を守ることには関係がないことが示されました。
今こそ憲法を活かそう
今必要なのは、日本国憲法の「命・自由・幸福」であり、土台に憲法9条、13条、25条があるため使っていこうと説明。憲法の土台や立憲主義を破壊している今の政治から憲法を取り戻すことが必要で、そのために、沖縄や国政選挙で経験してきたに市民と野党の共同を発展させ、改憲を許さない大きな力を作り出そうと呼びかけられました。
貴重報告
県医労連・池田書記次長より基調報告があり、38回を迎えた愛知医療研究集会の意義と労働条件改善と両輪で取り組むように提起がありました。コロナ禍で繰り返し愛知県や名古屋市に声を届けてきたことを報告。昨年取り組んだ「#看護師まもろう署名」や今年行った「すべてのケア労働者に大幅賃上げを求めるオンライン署名」の活動も紹介されました。
「全世代型社会保障」や「地域医療構想」に基づく社会保障削減政策の転換が求められていることが語られました。最後に要求を実現するために仲間を増やそう呼びかけがありました。
分散交流
全体会後に看護と介護・コメディカルに分かれて分散交流をしました。講演の感想は「力vs力は取り返しがつかない」「13条の話は自分の中では認識が弱かったかな。素晴らしいものと改めて理解できた」「みんなの疑問を解き明かすよう、気持ちが動くよう話してくれた。イラクの話も、憲法変えちゃいかんって改めて思った。」など、分かりやすく、元気が出た」との感想が
多くありました。分野ごとに職場の状況ややりたい看護・介護について交流もおこなれました。看護ではそれぞれがコロナ禍で困難な中で、「コロナ禍で来ないと思っていた方が昨年亡くなっており、中断患者の訪問行動を行なっている。フレイルが進んでいるのを実感する。」など現場での状況が次々語られ、充実した時間となりました。
スタンディング&Twitterデモ
医療研究集会終了後には、金山駅で「#憲法いかした社会に変えよう」という横断幕を持ち、スタンディング&Twitterデモを行いました。あわせて憲法改悪を許さない全国署名にも取り組みました。足を止めて署名に協力をして下さる方もいま
した。スピーチをした若手役員は「軍事費に使うお金があれほどあるなら、 一部だけでも医療にお金を使ってくれれば、どれだけの人が助かるか。 声をあげていきたい。」と話しました。
Twitterデモは5/29の時点で5300ツイートに上りました。