福祉保育労東海地本と愛知県医労連が共同で行っている「なくせワンオペ!プロジェクト」にて、8月30日「なくせワンオペ!シンポ」を開催。オンライン含め38人が参加しました。沖縄や栃木など県外からも参加がありました。開会あいさつとして、福祉保育労・加藤さんが、同僚が1人夜勤中に倒れて亡くなったことをきっかけに、なくせワンオペの取り組みを始めた経緯を話しました。
人手不足は人でしか解決できない
聖隷クリストファー大学の篠崎良勝准教授より、「調査でも、ICT化は現場の悩み・不安・不満の解消につながっていない。人手不足を埋められるのは人しかいない。制度がワンオペを認めているということは、ワンオペは職員・利用者に対する国から現場へのハラスメント・人権侵害と言わざるを得ない。」「名古屋市の特養で先日、利用者への暴行が死亡に至った事例が報道された。ワンオペは虐待につながるリスクもある」と問題提起がありました。篠崎先生は、「ワンオペの問題は早急に改善が必要だと改めて感じた。現場の実態を社会に伝え、連携して取り組んでいこう」と呼びかけました。
介護・障害福祉現場から夜勤実態を報告
ワンオペでは安全守れない
介護職場の小島さんは、1人で40人の利用者をみる時間もあり、「認知症の方なので、夜寝てくれず徘徊や頻回なセンサー対応が必要。コールが2つ3つ重なるともう1人では対応できない。どの人が最も転倒リスクが高いかを瞬時に判断してダッシュするしかない。間に合わずに転倒させてしまうと自分を責めて辞めてしまう人も。ICT化しても機械が転倒を防止してくれるわけではない。たくさんセンサーが鳴ってもプレッシャーなだけ。駆けつけるのは人間。そのお金を待遇改善にまわしてほしい」と訴えました。
ワンオペは離職につながる
障害者グループホームで働く塚本さんからは「対象者が発熱し、水も飲めない状況でも入院させてもらえず施設で支援継続するしかない。定期的なスクリーニング検査を活用する事業者が少ない。感染者が見つかって施設が休業になると保障がないので、感染者を見つけたくない。保障がしっかりあれば、もっと活用できる。利用者の救急搬送が必要だった時や、この間の豪雨で避難が必要になった際には、とても1人では対応できない」ことや「そもそも夜間に職員配置基準がない」といった制度の矛盾も出されました。
1人夜勤で悩んでいる仲間と交流しよう
後半はグループに分かれ、意見交流しました。
「賃金が低いため、夜勤の回数を増やして稼ぎたいという男性もいる。女性は独身か子育てが落ち着いた人しかできない。職員の入れ替わりも早い。」「職員が休むと代わりおらず、遅番が残るか、早番が早く出て長時間働くしかない」「ワンオペだと教育ができない。虐待したい人はいないが、一人だと追い込まれる。自分を守るために行為がエスカレートした虐待となることも」「高齢施設で夜勤は月7回。基本ワンオペ。60歳越えで疲労は取れにくい。コロナ当初は陽性者をワンフロアに集め、陽性者フロアを1人で回す状況だった。遅番が23-24時まで残ったり、早番が2-3時に早めに出てきたりして回していた」「家族の介護を3人でしてなんとか。施設ではワンオペが普通にある、本当に大変だと思う」「障害者施設で月に10泊もしているという報告があったが本当に非人間的な働き方で早期に変えたい。やりがい搾取、身を削って働いている。」など、深刻な実態が出されました。
福祉保育労の澤村書記長、中央社保協の林事務局長からも、全国でワンオペなくす取り組みを進めよう、
1人夜勤解消の項目も加わった、全国の介護署名も広げようと呼びかけがありました。最後に福祉保育労東海地本・西田書記長より、「署名は紙での個人・団体署名が愛知県宛て、オンライン署名は国(厚生労働省)宛てで、11月11日介護の日の提出をめざします。1人でも多くの仲間を増やし、署名を広げよう。」と行動提起がありました。