介護はクリエイティブな仕事
愛知県医労連は12月1日(日)、第22回介護セミナーを開催。
会場26名・zoom4名の計30名が参加しました。始めに介護をめぐる情勢や医労連の活動など基調報告を行い、「訪問介護アンケート結果」と「リハビリ事業団のデイケアを守る取り組み」の2本の特別報告がありました。
その後「腰を守る・力のいらない根津式介護技術」として、介護福祉士の玉田さんを講師に、実技も交えて自分の身体を守りながらの体位交換・起き上がり・車イス移乗の仕方を学びました。
特別報告
名古屋市総合リハビリセンターのデイケアを守る取り組み
リハビリセンターの名市大化で、工事のために予定よりも早く6月末でデイケアが廃止されることになった。医療と福祉の連携を求める署名を集め名古屋市に提出した。処遇についても交渉を継続している。
訪問介護の報酬引き下げについてアンケート結果
社保協で訪問介護事業所へのアンケートに取り組み、報酬引き下げで、6割の事業所が「経営危機」だと答えており、報酬引き上げを求める事業所が8割にのぼっています。
腰を守る介助技術
「根津式介護技術は、代表が自分が脳梗塞で要介護5になった体験から開発した。 力まかせの介護ではお互いがつらい。 介護職も自分の身体を守りながら介助を。ポイントは①押す②引く③まわす④ふれる⑤支点を変える」と基礎の講義を受けてから、実際にベッドと車椅子を使って実技も行いました、
起き上がり
・自分の右膝をベッドにつく
・対象者の両膝を立て、肩の下に手を入れる。
・肩をつかんではダメ。アイーンのイメージで引き寄せる。
車椅子移乗
・ベッドに右膝をつく
・対象者の左足を手前に引いておく
・右手は尾骨の位置
・持ち上げず重心移動
立ち上がり
・両足を手前に引く
・おじぎする。膝より前に頭を
・この重心移動を意識しながら介助する
実技では、参加者それぞれでアドバイスしあって、「つかまない」「もちあげない」「重心移動を誘導する」介助を試行錯誤しました。
玉田さんより、「介護の3Kはキツイ・汚いではなく、『感謝』『感動』『工夫』だと思う。相手は人なので日々変わる。工夫してみてください。介護は実にクリエイティブな仕事。介護職が1番利用者さんのことはわかっている。担当者会議で多職種に伝え、みんなで考える。1人ではできない、チームケア。統一のケアになるよう話し合うことが大事。」と話がありました。
しゃべりば
その後のしゃべりばでは、3グループに分かれて感想や、職場の悩みなどを交流。「力のいらない介護の根底にある、利用者の尊厳を守るという視点が共感できた」「先輩によって介助の仕方が違うので新人が混乱する」など人手不足で患者・利用者さんに寄り添った介護・看護ができない葛藤や、職場での人間関係の悩みなどを話し合い、時間が足りないほどでした。
最後に、永田副委員長より、「根津先生の思い、尊厳・人を大切に考えていることが伝わり感動した。現場に伝えていこう」と閉会あいさつがありました。
【寄せられた感想】 ※一部抜粋
・うそのように力がいらず楽で驚きました
・介護への考え方が明るい、希望がある。技術も当事者から出た役に立つもの。
・技術の部分も目からウロコでしたが、やっぱりこの技術の裏にある相手への思い、配慮、介護の基本を改めて考えさせてくれました。
・先生に言われた掴まえない・抱えないなど、だめな理由をやめると、うまくいくことがわかると楽しかったです。早く病院で実践してみたくなりました。
・お互いに職場の問題点を発表し、意見を出し合うことができて有意義だった。