派遣労働者等のみなさん労働相談Q&A
★ 契約社員の契約打切りについて
Q「1年契約で更新を続け、5年間継続して勤務しています。会社から「次の契約で打ち切る」と言われました。あきらめるしかないのでしょうか?
A 契約期間の定めのある労働契約の場合であっても、契約の更新を繰り返し、長期間に働き続けている場合は、期間の定めのない労働契約と認められます。
実質的に期間の定めのない労働契約であると認められた場合、契約期間の満了に伴い契約を更新しないのは、事実上の解雇とみなされ、契約の打ち切りは、無効です。しかし、多くの場合、個人交渉では限界があります。ぜひ、愛知県医療介護福祉労働組合連合会(略称:愛知県医労連)に、ご相談ください。
★ 不利益変更について
Q 会社から「家族手当と住宅手当を廃止し、基本給を全員1割減額する」と一方的に通告されました。どうしたら、よいでしょうか。
A 手当の削減や賃金の切り下げなど、労働条件を低下させる「労働条件の不利益変更」は、原則として個々の労働者の同意を必要です。とくに不利益変更の程度が大きい場合は、同意していない社員に対して一方的な労働条件の変更は、法律違反となり無効です。
しかし、個々に会社と交渉してもよい回答はなかなか得られません。こうした労働条件の不利益変更に対向するためには、できるだけ多くの職場の仲間といっしょに労働組合を結成することが必要です。ぜひ愛知県医療介護福利労働組合連合会にご相談ください。
★ サービス残業について
Q 何時間残業しても月あたり決まった分の残業代しか払われません。
どうしたらよいでしょうか。
A 働いた分の残業代が払われない場合は、「賃金の未払い」であり、労働基準法違反です。
残業は、終業時間を超えた場合の残業は、当然ですが、早めに出勤して準備や情報収集しないと業務が回らない場合など、始業時前の労働も早出残業として賃金の請求ができます。昼休みについても、業務が昼休みにもかかわらず、入ってしまって働いた場合なども、請求できます。サービス残業を請求する場合は、タイムカードのコピーや業務報告書、パソコンのログオン・オフ記録など、実際に働いた時間を示す具体的なメモや資料を残しておくことが大事です。会社が払わない場合は、資料元に労働基準監督署に請求することもできます。
★ 偽装請負について
Q 私は、病院の看護助手で、他の正社員と同じように出勤し、上司の指示の下で働いています。ところが労働・社会保険は加入させてもらません。会社は「あなたは請負契約だから会社に義務はない」と言われました。どうしたらいいでしょうか。
A 「請負契約(または「委託契約」)」とは、その仕事を完了させることについてのみ契約を交わすことで、名称が委託契約であっても実際は、勤務時間、場所などが決められていて「何時から何時まで、どこで働いて、賃金はいくらです」といった契約で、上司の指揮命令で仕事をする場合は、労働基準法上の「労働者」となります。その場合には、会社は直接雇用労働者として労働基準法等を適応し、労働保険・社会保険の加入させなければなりません。
★ 有給休暇について
Q 年次有給休暇の申請をしましたが、自由に取らせてくれません。どうしたらよいでしょうか。
A 労働基準法では、原則として社員が申し出た日に年次有給休暇を与えなければならないことになっています。年休を取得する際は、書面での届け出に限らず、口頭や電話での届け出でも構いません。
★ 産前産後休暇について
Q 私は、派遣労働者ですが、産前産後休暇は取れるのでしょうか。
A 労働基準法では、産前6週間、産後8週間(多胎妊娠の場合は14週間)の女性労働者が請求した場合は、休暇を与えることを会社に義務付けています。 契約社員、派遣、パートなどの雇用形態やそれまでの勤務期間に関わらず、権利が保障されています。派遣労働者の方の場合は、休暇を与える義務は派遣元の会社にあるため、請求も派遣元に行います。
★ パートの健康診断について
Q 会社では、正社員は毎年、定期健康診断を実施されていますが、パートは、定期健康診断を実施しなくても違法にはならないのでしょうか。
A 労働安全衛生法は使用する労働者に対して、1年に1回(深夜業などを行う場合には6ヶ月に1回の一般健康診断、有機溶剤を扱う業務などの場合は6ヶ月に1回の特殊健康診断)の定期健康診断の実施を義務付けています。
正社員だけでなく、一定の要件を満たすパートタイム労働者には実施する必要があります。1.期間の定めのない労働契約により使用される者、2.1週間の労働時間数正社員の4分の3以上であること、とされています。ただし厚生労働省は、所定労働時間が正社員の2分の1以上であれば一般健康診断を実施することが望ましい、としています。なお、派遣労働者の定期健康診断は、派遣元に実施の義務があります。