トピックス−職場から地域から

【18.05.25】「働き方改革」法案の採決をやめ、撤回・廃案を求める要請書について

「働き方改革」法案の撤回・廃案を求める

第36回愛知医療研究集会では、来週にも衆議院で採決がされようとしている「働き方改革」法案は、過労死を助長する「高度プロフェッショナル制度」をも一括で含むものであり、断じて許すことはできないと強調。採決は行わず、ただちに撤回・廃案とすることを求める要請書を内閣総理大臣と厚生労働省に出していくことを確認しました。



「働き方改革」法案の採決をやめ、撤回・廃案を求める要請書
内閣総理大臣 安倍晋三 様
厚生労働大臣 加藤勝信 様

「働き方改革」法案が衆議院で審議され、来週にも衆議院での採決がされようとしています。この法案は、私たち働く者の命と健康にかかわる重大な内容を含んでいます。

労働者が働く上で最低限の基準を定めたのが労働基準法です。法定労働時間(原則1日8時間、1週40時間)が定められて「これ以上働かせてはいけません」というのものです。それを超えて労働をさせた場合や、深夜勤務・休日労働をさせた場合などは割増賃金が支給されます。ところが、今回の「働き方改革」法案にもりこまれている「高度プロフェッショナル制度」が適用されると、それらの規定は適用除外となり、使用者は一定の人件費で極限まで働かせることができるようになってしまいます。むちゃな労働を強いられても、法の保護を求めることができなくなります。

過労死で亡くなった電通の高橋まつりさんは23歳。ワタミの森美菜さんは26歳の若さでした。原因は長時間過密労働です。遺族と弁護士、市民、労働組合が力を合わせ2014年には「過労死等防止対策推進法」を成立させました。野放図な長時間労働への規制が求められるもとで、国会で成立させられようとしている働き方改革」法案は、逆に100時間まで時間外労働を認める内容であり、こんな改革では過労死が増えてしまいます。

政府は、年収1075万円以上が高度プロフェッショナル制度の対象だから一般の人は関係ない、と説明されています。しかし、年収基準が徐々に引き下げられることは明らかです。もともと経団連は年収400万円以上を対象とするよう提案していました。また、制度の対象業務は法案の成立後に省令で決めることになっています。国会の審議なしに政府の思うままに対象業務を広げられる仕組みです。

さらに、厚生労働省が労働政策審議会に示したデータにもねつ造があったことが明らかになっています。裁量労働制で働く労働者や事業所へのアンケート結果として、「裁量労働制を変えた方がよいとの意見も一定数あり、そうしたニーズに応える選択肢の必要性を裏打ちするものになっている」と説明しています。ところが、「裁量労働制を変えたほうがよい」と回答した人に用意された設問は規制緩和の選択肢のみでした。「変えたほうがよい」という人の中には規制強化を求める人もいたはずです。実際に、自由記述の設問では、「サービス残業の温床となるため裁量労働制の撤廃」「サービス残業の温床になっていることへの対策を」など規制・強化を求める意見が多数書き込まれていました。
「働き方改革」法案は、高度プロフェッショナル制度の「導入ありき」で意図的に審議をゆがめたうえに、作られた法案です。

医療・介護・福祉の分野では、今でさえ劣悪な低賃金・長時間労働にあります。政府が果たすべき「働き方改革」は労働規制の緩和ではなく、労働時間の短縮で真の「働き方改革」です。社会保障費を大幅に拡充し国の責任で人間らしく当たり前の生活ができる改革が必要です。
私たちは、「働き方改革」法案の採決は行わず、ただちに撤回・廃案とすることを求めます。

2018年5月20日
第36回 愛知医療研究集会 参加者一同

▲ このページの先頭にもどる

トピックス